The Business Support Report 2024年7月1日号
時間が合えば、臨済宗大本山建仁寺の座禅会(千光会)に参加するようにしています。管長小堀老師の6月の法話は、無門関第39則「雲門話堕」でした。
公案の概要は、ある僧が「光明は寂照にして河沙に遍ずる」と言いかけると、雲門和尚が急に「それは長拙秀才の詩ではないのか」と言われた。そこで僧は「はいその通りです」と答えました。雲門和尚は、「言葉に落ちてしまったな」と言われた。人の話の引用ではなく自分の言葉で語りなさい、という事です。無門和尚が頌(じゅ)に曰く。急流に釣りを垂る、餌を貪る者は、著く。口縫(こうほう)わずかに開けば、性命(しょうみょう)喪却せん。
この公案は、比較的わかりやすいものです。しかしその事とその公案を自分のものにする事は別のことです。
TKC会計人にとって、「自利利他」という言葉は社是となっています。『自利(自ら悟りを得る事)トハ、利他(世の中の人の役に立つこと。一切の衆生を済度しようとする誓い)ヲイウ』と言う事です。四句誓願という誓いがあります。①衆生無辺誓願度(しゅじょうむへんせいがんど)②煩悩無尽誓願断(ぼんのうむじんせいがんだん)③法門無量誓願學(ほうもんむりょうせいがんがく)④仏道無上誓願成(ぶつどうむじょうせいがんじょう)と続きます。四句誓願文の中で、「利他」の「衆生無辺誓願度」が先頭に来ていることが大乗仏教の本旨であるというお話を、セミナーに参加頂いた蘭の寺西来院住職 雲林院和尚にお伺いしたことがあります。自利と利他は別々の事柄でなく、「自利トハ利他ヲイウ」と解釈されたことがTKCの創始者飯塚会長の本旨です。無門関第39則の公案に即して理解すると、「自利利他」と唱えているだけでは、「話堕に陥る」という事です。実際の業務の中で、常にお客様第1主義を貫いてこその「自利利他」です。その事を常に念頭に置かねばなりません。そして肝に銘じておかなければなりません。
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