事務所通信

タイトル:ビジネスサポート通信

The Business Support Report 2024年2月1日号

新NISAの概況と問題点

 2024年1月から「NISA」の制度が大きく変わり、大変使いやすくなったので検討されている方も多いと存じます。今までは、つみたてNISA年間40万円20年(800万円)か一般NISA年間120万円5年600万円の選択制であったものが、今回は、つみたて投資枠年間120万円と成長投資枠年間240万円の併用が可能となり限度額も1800万円で、非課税の期間も無制限となりました。
 しかしあくまでも「投資」ですので、色々な問題点もあります。従って今回はその問題点を中心に解説します。「新NISA」の「制度としてのデメリット」は、「損」に弱いということです。投資をする方は、少しでも損を減らすために「ナンピン買い」(株価が下落した時に追加で購入し、取得価格の平均化を図る買い方)や、「損益通算」(株価の売買で利益が出た時には、損を確定する取引を行い利益を相殺する方法)や「損失繰り越し」(株式の売却損を繰り越す事)などを駆使します。けれども、「新NISA」では、こうした手法をフルには使えません。日経平均の30年間の推移ですが、それこそ山あり谷ありで一本調子で上がっていくことなどありえません。「新NISA」で選ぶ投資信託には、インデックスファンド(日経平均などの指数に値動きが連動する商品)が多いと思いますが、仮に日経平均が3万8915円の時に日経平均のインデックスファンドを買った人は、5年後には半額近くなり、2009年3月には、7054円を付けています。ピーク時の5分の1以下です。一方10年前に買った人は2倍になっています。今は、株価が好調ですので、利益が出る事ばかり考えがちですが、株価の下落も念頭に置いておく必要があります。インデックスファンドでも、これくらい激しい値動きがあるのですから、「長期投資なら安全に増える」という幻想は抱かないほうがいいでしょう。そのあたりも念頭に置いて、「新NISA」をご検討ください。

税制改正-交際費非課税の飲食費上限を「1万円以下」に引上げ

 令和6年度税制改正において、地方活性化の中心的役割を担う中小企業の経済活動の活性化や、「安いニッポン」の指摘に象徴される飲食料費に係るデフレマインドを払拭する観点から、交際費課税の見直しが盛り込まれております。具体的には、損金不算入となる交際費等の範囲から除外される一定の飲食費に係る金額基準について、会議費の実態を踏まえ、現行の1人当たり5,000円以下から「1万円以下」に引き上げられます。
この背景には、物価上昇で飲食費が高騰しており、今の水準では不十分だとする意見が強く、飲食業界を側面支援する狙いもあります。この改正は、令和6年4月1日以後に支出する飲食費について適用されます。
 また、接待飲食費に係る損金算入の特例及び中小法人に係る損金算入の特例の適用期限が3年延長されます。現行の接待飲食費は、社内飲食費を除いた交際費に含まれる「飲食費」について、定められた項目を記載した帳簿上の飲食費(「接待飲食費」と仕訳したもの)であれば、その額の50%を損金に算入できこととされている特例がありますが、この特例は、中小企業だけでなく大企業にも適用されます。
中小企業の場合は、交際費等の額のうち、①飲食その他これに類する行為のために要する費用の50%に相当する金額を超える部分の金額と、損金不算入額として、②交際費等の額のうち、800万円にその事業年度の月数を乗じ、これを12で除して計算した金額(「定額控除限度額」)に達するまでの金額を超える部分の金額、のいずれかの金額が損金不算入額となる選択適用が認められています。
就業場所・業務の変更の範囲の書面明示について

 労働契約締結の際に、明示事項である「就業場所」と「業務の内容」について、現在は雇入れ直後のものを明示すれば足りるとされていますが、2024年4月から労働条件の明示ルールが変わり、すべての労働者に対し、「就業場所・業務の変更の範囲」の明示が必要になります。
「就業場所・業務の変更の範囲」とは、今後の見込みも含め、その労働契約の期間中における就業場所や従事する業務の範囲のことを指します。そのため、将来の可能性も含めたうえで、その範囲を明示していくことになります。就業場所・業務に限定がない場合は、
 就業場所:(雇入れ直後)〇〇営業所  (変更の範囲)会社の定める営業所
 従事すべき業務:(雇入れ直後)〇〇に関する業務  (変更の範囲)会社の定める業務
上記のように記載するほか、トラブル防止のため、できる限り就業場所・業務の変更の範囲を明確にし、労使間で認識を共有することが求められます。例えば、テレワークを行うことが通常想定されている場合は、就業場所としてテレワークを行う場所が含まれるように明示することになります。
 上記の変更は、2024年4月1日以降に締結される労働契約から適用されます。そのため、2024年4月1日入社の従業員について、2024年3月31日以前に労働契約を締結する場合は改正前のルールが適用され、新たな明示ルールに基づく明示は不要です。

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