The Business Support Report 2022年2月1日号
岸田内閣が誕生し、今までの「アベノミクス」から脱却し、成長と分配の新しい資本主義が提唱されています。経済には、成長と分配の両面が必要。「成長なくして分配なし」。同時に、分配なくして消費の盛り上がりはなく、「分配なくして次の成長なし」。規制緩和、構造改革の新自由主義的政策は我が国経済の体質強化と成長をもたらしたが、富める者と富まざる者の分断も発生。成長のみ、規制緩和・構造改革のみでは現実の幸せには繋がらず。成長と分配の好循環による新たな日本型資本主義の構築が必要であると「理念」は立派なのですが、その割には、その政策が反映された税制改正案とはなっていないようです。積極的な賃上げ等を促すための措置として掲げられているのは、今までの賃上げ促進税制の手直し程度にとどまっています。大企業では、給与等支給額の継続雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が3%以上であるときは、控除対象雇用者給与等支給増加額の15%の税額控除ができる制度とする。この場合において、継続雇用者給与等支給額の継続雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が4%以上であるときは、税額控除率に10%を加算し、教育訓練費の額の比較教育訓練費の額に対する増加割合が20%以上であるときは、税額控除率に5%を加算する。中小企業では、雇用者給与等支給額の対前年度増加割合が1.5%以上である場合に、雇用者給与等支給額の対前年度増加額の15%の税額控除を行うとともに、税額控除の上乗せ措置として、雇用者給与等支給額の対前年度増加割合が2.5%以上である場合には、税額控除率に15%を加算し、教育訓練費の対前年度増加割合が10%以上である場合には、税額控除率に10%を加算する措置を講ずる、という程度にとどまっています。その他の改正項目では、住宅ローン控除が低金利の中で「逆ザヤ」が問題となっていましたが、それを受けて逆ザヤの解消とカーボンニュートラルを加味して長期優良住宅や認定低炭素住宅については、令和4年5年については、最高5000万円まで1%ではなく0.7%で計算し、10年を13年に延長しています。
又、電子帳簿保存法については、令和4年1月1日から施行されていますが、一定の要件のもとに2023年12月末までその適用が猶予されています。
その他、労働者協同組合法の施行に伴う所定の改定を行っています。
新内閣の初年度の改正にしては、小規模な改正にとどまっている印象です。
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