R3.11.1号

タイトル:ビジネスサポート通信

The Business Support Report 2021年11月1日号

タイトル:インボイス制度とは? クリニックの選択は?

 最近、インボイス制度という言葉をよく耳にします。そもそもインボイス制度とは何なのか、を先ず明らかにします。インボイス制度とは、正式には「適格請求書等保存方式」と言います。適格請求書(インボイス)とは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。インボイス制度とは、売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。(※)買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。この制度は、2023年(令和5年)10月から適用が開始されますが、今年の10月から、税務署に申請して、登録番号を取得するための受付が始まり、新聞記事になることが多くなっています。問題なのは、この登録番号を取得するためには、「課税事業者」であることが必要なことです。クリニックなどでは、多くの収入が、消費税非課税の診療報酬であるため、免税業者が大半を占めます。それでは、インボイス制度は、クリニックには無縁なことなのでしょうか?それがそうとも言い切れない事が重要です。例えば、自費治療に属する「集団検診」や「ワクチン等の予防接種」等の領収書を求められた際に、先方が「課税事業者」である会社や法人である場合には、先方が、仕入税額控除を受けるためには、インボイスを求めてくることが想定されるため、場合によっては、依頼するクリニックの再検討が起こることが想定されます。又、相手が一般市民の場合には、インボイスの必要はないのですが、今まで通り、本体価格+消費税を記載して領収書を発行するとクリニックに「益税」が発生していることが明確になることから、請求書の記載方法を工夫するか、又は、1000万円以下の自費売上であっても、課税事業者であることを選択してインボイスを発行できる体制を作るのかの選択を求められます。
 詳しいことは、巡回監査担当者にお尋ねください。

ライン
テレワーク経費負担-企業の4割が「給与」として支給
 人事院がこのほど公表した「令和2年民間企業の勤務条件制度等調査」結果によりますと、テレワーク(正社員が情報通信技術を利用して行う在宅勤務)を実施している企業のうち、テレワークに対する経費を負担している企業の割合は34.7%で、そのうち42.9%が経費を「給与」として支給しているそうです。給与以外では、「福利厚生費」が7.9%、「その他」が49.2%でした。
 負担している経費の支給方法をみますと、①経費の費目を特定している企業では、「実費を毎月支給」23.8%、「定額を毎月支給」22.5%、「その他」53.8%となっているのに対し、②経費の費目を特定していない企業では、「定額を毎月支給」41.4%、「実費を毎月支給」11.6%、「その他」47%で定額支給の割合が多くなっています。
 更に定額支給の場合の支給金額をみると、3千円以上4千円未満が全体の34.7%を占め最も多く、平均額は4,101円だそうで、最高額は1万円、最低額は1千円でした。
なお、国税庁は、在宅勤務手当の支給に係る課税の取扱いに関してすでに公表しており、在宅勤務に通常必要な費用について、その費用の実費相当額を精算する方法により、企業が従業員に対して支給する一定の金銭の場合は、従業員に対する給与として課税する必要はありませんが、企業が従業員に在宅勤務手当(従業員が在宅勤務に通常必要な費用として使用しなかった場合でも、その金銭を企業に返還する必要がないもの)を支給した場合は、従業員に対する給与として課税する必要がある、と説明しています。
新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数・認定件数について
 業務中に新型コロナウイルスに感染し、療養した労働者に対する労働者災害補償保険(労災保険)の請求件数が厚生労働省の発表によると、9月30日現在で累計18,637件、そのうち支給決定をした件数は14,834件に達しました。
 労災認定までは本来厳しいハードルが設けられていますが、厚生労働省は、感染経路不明のケースも業務による感染かどうかを柔軟に判断して支給決定する方針で、請求のうち約8割が支給決定されている状況です。
 コロナ関連の請求が初めてあった2020年3月以降、請求件数は右肩上がりで増え、首都圏を中心に感染が拡大した今年1月以降は毎月1,000~2,000件台の請求があります。
 労災保険は、仕事や通勤が理由で病気やけが、または障害や死亡に至った場合、補償が受けられ、保険料は事業主が支払う制度です。労災認定されると、治療費は全額が労災保険から支給され自己負担がゼロになります。
 新型コロナウイルス感染症に感染したら、どこまでが労災保険の給付対象となるかについて、厚生労働省が示しているのは、①感染経路が業務によることが明らかな場合②感染経路が不明の場合でも、感染リスクが高い業務に従事し、それにより感染した蓋然性が強い場合の2つです。
 ①は、特に医師・看護師や介護の業務に従事する人は、業務外での感染が明らかな場合を除き、原則として対象となります。
 ②では、複数の感染者が確認された労働環境下での業務、顧客との近接や接触の機会が多い労働環境下の業務を例としてあげています。具体的な認定例として例示されているのは、小売業での販売員、飲食店員、バス運転手、タクシー運転手、保育士、港湾荷役作業員等です。また厚生労働省の事務連絡によると、1つの職場で3人の感染が確認され、3人共感染経路が不明であるというような場合、全員が業務上と判断される事案もあり得るとしています。
 支給対象の大半は医療・介護事業従事者等で支給決定件数は11,403件になっており、今後も増加傾向により認定件数もさらに増える見込みです。

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タイトル:令和3年度介護報酬改定に寄せて!
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