The Business Support Report 2021年7月1日号
コロナ禍のなかですが、「令和3年度介護報酬改定」が2021年4月から実施されています。改定率は「+0.7%」と小幅なプラス改定ですが、コロナの影響による利用者の減少の中では、事業者には厳しい内容となっています。特徴としては、「科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence)=LIFEの活用が前面になっている点です。LIFEへのデータ入力をしなければ、各種加算が算定できない仕組みとなりました。また、単に入力するだけでなく、そこからフィードバックされたデータに基づき介護プランをPDCAサイクルにより作り直す必要があります。現場には相当の事務負担の増加が強いられることになりました。改定内容は、次の8点です。①LIFE=「科学的介護情報システム」の活用②感染対策③ICT(情報通信技術)の活用:見守り、事務負担の軽減など④「特定処遇改善加算」の2分の1ルールの見直し⑤「サービス提供体制強化加算」の見直し⑥デイサービスの「入浴介助加算」の見直し⑦「生活機能向上連携加算」「個別機能訓練加算」の見直し⑧居宅介護支援の見直しです。また、3年間の経過措置が設けられていますが、「業務継続計画」(BCP)=Business Continuity Planの策定が義務づけられました。介護現場では、経験豊富な職員の定着に向けて、2019年10月から特定処遇改善加算が実施されています。2017年のベースの資料としては、介護職員の平均月収293,450円が、看護職員(368,560円)理学療法士(343,760円)など他の職種を下回っている状況を改善しようと、勤続年数10年以上の介護福祉士に月額平均8万円以上の加算を行い年収440万円にしていくという制度です。但し経験・技能のある介護職員と他の介護職員、その他の職員を区分してそれぞれ2分の1以上の格差が要求されていたために、実際には使い勝手が悪い状況が出てきたため、今回は、2分の1ルールを廃止し、「より高くすること」に変更されました。又、居宅介護支援では、1人のケアマネージャーが作成できるケアプランは、39件までとなっていましたが44件まで可能となり基本報酬も引き上げられています。いずれにしても、一番大切なことは、現場リーダーの育成、定着です。介護事業の経営者には「財務管理」「事業計画」「コンプライアンス」「人事マネジメント」の4つが必要ですが、その中でも「人事マネジメント」が最もプライオリティーが高い業務です。LIFEを使いこなし、その中で各種加算項目を取得しながら、現場リーダーの定着と処遇改善を行い、人事マネジメントを行う事がこれからの介護事業所経営に必要な事柄になってきています。
〒541-0041 大阪市中央区北浜3丁目2番24号北沢ビル2F
e-mail: info@office-ohta.com URL: https://www.office-ohta.com/
株式会社 TEL:06(6221)3611 FAX 06(6221)3711
社労士法人 TEL:06(6221)3601 FAX 06(6221)3701