The Business Support Report 2020年12月1日号
企業にとって、税務調査は大きな問題です。そして意識的に脱税を考える一部の企業を除いて、多くの企業主は、適正な納税意識を持っています。但し、そのためのノウハウを知らないために、税務調査で「修正申告」を余儀なくされることになります。
税理士は、適正、適法な対処方法を知っているがゆえに、税務調査に対処することが可能となります。例えば発生主義という原則があります。よくある税務署が、修正申告を指摘する手法で「帳端」の未計上を指摘する手法があります。締め日が20日の企業で、事業年度が末日の場合、21日から末日の間の売上を「帳端」(ちょうは)と呼びます。通常は来月20日の締め日で計上されるのですが、その売上は、その事業年度で既に発生済みなので、税務調査で売上の未計上を指摘されることになります。又、経費の計上時期で、外部に委託した加工費(例えば、歯科クリニックにおける技工料等)で、売上が来期になるものは、棚卸資産に計上する必要があります。このような期末の処理方法は、税理士がきちんと対処することで税務調査に対応することが可能となります。
今月は、税務調査に係る税理士法33条の2の「書面添付」について解説します。弊社では、月次の巡回監査を実施している関与先様の決算・申告書には、税理士法33条の2の書面を添付して税務署に提出しています。この「書面添付制度とは、税理士法第33条の2に規定する計算事項等を記載した書面を税理士が作成した場合、当該書面を申告書に添付して提出した者に対する調査において、従来の更生前の意見陳述に加え、納税者に税務調査の日時場所をあらかじめ通知するときには、その通知前に、税務代理を行う税理士に対して、添付された書面の記載事項について意見を述べる機会を与えなければならない(法35条第1項)こととされているものであり、税務の専門家である税理士の立場を尊重し、税務執行の一層の円滑化・簡素化を図るため、平成13年度の税理士法改正により拡充されたものです。 TKC会期人は、それ以前から「調査省略・申告是認」の運動を進めてきました。この運動は、TKCの税理士が、顧客企業に対して、月次の巡回監査を通じて、法に照らして適正、適法な税務処理をアドバイスしているので、そのような企業に対しては、税務調査を省略し、申告を適正、適法なものとして認めるべきだとするものです。この調査省略・申告是認運動と、税務当局の業務の効率化の動き(もっと脱税の疑いの高い企業への調査の集中と効率化)が実を結んで平成13年度の税理士法改正により生まれたものが、法33条の2の書面添付と法35条第1項の意見聴取です。この意見聴取の結果、税務当局の疑問点が解消された場合には、臨宅の税務調査は省略される事となります。
詳しくは、巡回監査担当者にお尋ねください。
〒541-0041 大阪市中央区北浜3丁目2番24号北沢ビル2F
e-mail: info@office-ohta.com URL: https://www.office-ohta.com/
株式会社 TEL:06(6221)3611 FAX 06(6221)3711
社労士法人 TEL:06(6221)3601 FAX 06(6221)3701