The Business Support Report 2020年9月1日号
新型コロナの感染が止まりません。秋に向けて第2波が来ると予測されていましたが、緊急事態宣言の解除以降も、感染者数の増加が続いています。日本感染症学会は、現在が第2波であると規定しています。秋以降、インフルエンザの流行期を迎える中で、新型コロナ対策も実施していく必要があり、今後の帰趨が懸念されるところです。
一方今年の第2四半期(4月から6月)における日本の国内総生産(GDP)は、前年同期対比で27.8%(年率換算)減少しています。又、コロナ対策の最前線である医療機関の経営悪化も深刻な問題です。マスコミをにぎわせた東京女子医大付属病院の夏のボーナス不支給問題(後日8月に1か月分支給)に象徴されるように医療機関の経営は悪化しています。コロナ患者受け入れの体制整備(空きベッドの確保)や感染対策のためのコスト増加の中で、出来高払いの診療報酬体制の是非が問題となっています。又、新型コロナ患者の受け入れを行っていない病院やクリニックでも、国民の受療抑制の影響から外来患者数は19.7%減少、救急患者受け入れ件数は34.9%減少、手術件数は17.6%減少などが報告されています。クリニックでも、小児科、耳鼻咽喉科、内科、歯科を中心に医業収益が前年同月比40%~50%減少のクリニックも珍しくない状況です。
その他の業種でも、観光関連のホテル業界や飲食業界のみならず、あらゆる業種で、売り上げの減少の中で、契約社員の雇い止めや社員の整理解雇の動きも強まっています。雇用関係の悪化は、これから本格化するのではないかと危惧しています。
これに対する政府の対策は、「安倍のマスク」に象徴されるように、ピントのずれた政策が多く国民の政治不信に拍車がかかっています。7月22日から景気刺激対策を重点に「Go Toトラベルキャンペーン」を前倒しで実施しましたが、東京都の感染者数の増加の真只中であったので、東京都を除外する形で実施され、思うような成果をあげることが出来ない形になっています。いずれにしても、コロナ禍の中で、ウイズコロナの中での社会で私達はこれから生きて行かなければなりません
「担雪埋井」という言葉は、中国の宋の時代に編纂された従容録(しょうようろく)という公案集の中に出てくる用語ですが、日本では、臨済宗中興の祖と呼ばれる白隠禅師が良く用いられたものとして知られています。雪を担いて古井をうずめる と読み下しますが、雪をかついで井戸を埋める。瞬時に雪は解けてしまう。決して井戸は埋まらない。一見すると全く無意味な行為のように見える。しかしながらそのような行為を繰り返すことによって道は開けるのです。極端な話、雪が降り積もれば、井戸も埋まってしまいます。目先の利益に囚われることなく、するべきことをなす事の重要性は、このような行く手の不明なコロナ禍の中での経営に一層重要な指針になると思います。
政府の持続化給付金、各自治体の休業協力金、雇用調整助成金等の詳細、融資制度や新たな支援策等の詳細は、巡回監査担当者にお尋ねください。
〒541-0041 大阪市中央区北浜3丁目2番24号北沢ビル2F
e-mail: info@office-ohta.com URL: https://www.office-ohta.com/
株式会社 TEL:06(6221)3611 FAX 06(6221)3711
社労士法人 TEL:06(6221)3601 FAX 06(6221)3701