The Business Support Report 2020年7月1日号
新型コロナ第1波については、首都圏における感染者数の推移が気がかりなところですが、全般的には、ようやく峠を超えたものと思われます。しかしながら世界的には未だ感染の増加が止まりません。全世界の感染者数は、900万人から1000万人にも及び、死亡者数は50万人に近づいています。新型コロナ対策としては、①徹底した検査に基づく感染者の同定と隔離②社会全体の活動縮小の2つがありますが、日本は他の国と比べて両方の対策とも不徹底でした。PCR検査数は少なく、GPS機能を用いた感染者の監視を行うこともありませんでした。又、社界全体の活動自粛も、ロックダウンを行った欧米諸国より緩やかな「要請」でした。しかし感染者数や死亡者数は、欧米よりも少なくて推移しています。この要因は何なのか。このファクターXを明確にすることは、今後の予想される第2波に向けて大切なことになっています。京大の山中伸弥教授は次のような可能性を挙げておられます。①クラスター対策班や保健所職員等による献身的なクラスター対策②マラソンなど大規模イベントの休止、休校要請により国民が早期(2月後半)から危機感を共有③マスク着用や毎日の入浴などの高い衛生意識④ハグや握手、大声での会話などが少ない生活環境⑤日本人の遺伝的要因⑥BCG接種などの何らかの公衆衛生政策の影響⑦2020年1月までの何らかのウィルス感染の影響⑧ウィルスの遺伝子変異の影響などです。その他の要因を挙げれば、安倍政権の無為無策にもかかわらず、都道府県知事のリーダーシップが、国の無策を補った事も挙げておかなければならないでしょう。和歌山県の仁坂知事が、済生会和歌山病院でのクラスター発生に伴い、国の要請を無視してPCR検査を徹底して実施して感染拡大を防止したことは記憶に留めておくべきです。「緊急事態宣言」の発令以前にピークが終わっていたことは、今や常識になっています。第2波の発生に向けてファクターXに頼ることなく、徹底した早期の検査と医療体制の構築が必要になっています。
ところで、一人10万円の定額給付金の交付の際にも述べましたが、給付金の返上ではなく、堂々と受給して、余裕があれば、寄付などで医療体制の構築や地場産業の育成のために「ふるさと納税」の積極的な活用を提案したところですが、世論調査によれば、定額給付金については、「生活に使う」人が大半で国民生活の困窮ぶりを改めて確認しましたが、あえて「ふるさと納税」による寄付や地場産病の育成をお願いしておきます。新型コロナ対策に向けてのガバメントクラウドファンディング(GCF)は、目標6億9千万円に対して既に3億6千万円の寄付が集まっています。但し、今年のふるさと納税では、国と係争中の泉佐野市が除外されていたり、自分の居住している市町村への寄付は、返礼品の交付対象から外れている等の変更点があるので注意して下さい。詳しくは、巡回監査担当者にお尋ねください。
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