The Business Support Report 2020年6月1日号
新型コロナ騒動も、緊急事態宣言の39県での解除(5/14)、大阪府及び兵庫県、京都府での休業要請の段階的な解除(5/16)を受けてようやく第1波のピークは峠を越したものと考えられます。但し、ほとんどの識者が指摘するように第2波の流行が想定されています。それに備えて改めて日本の医療制度の問題点を明らかにしておきたいと思います。現状での世界の感染状況と日本の感染状況を示しておきます。5/18現在世界では471万人の感染者と31万人の死亡者が出ています。最も多いのは医療保険の脆弱な米国で146万人の感染者と88,730人の死亡者を出しており、続いてヨーロッパの感染者、死亡者が目立ちます。これに対して日本では、感染者16,301人、死亡者756人と少数に抑制されています。この原因については、生活習慣の違い(キスやハグの慣習の有無)衛生環境に対する民度の違いや根拠不明ですが、BCGの予防接種の接種率との関連性等色々な指摘がなされています。但しこの結果については、政府の地方自治体任せの無作為な対応の中で、各国特派員が「理由が分からない」とレポートするように、結果オーライの側面が強いのです。厚生労働省は、高齢化がピークを迎える2025年に向けて、地域医療構想を掲げ、病院のベッド数の適正化=削減と回転率のスピード化に取り組んできました。しかしこの作業が「道半ば」であることが、結果として「医療崩壊」を防止することになったのです。今、マスコミ等では、重症患者へのベッドの余裕の程度が問題となっていますが、今までは、「満床」を目指して「効率的な医療」を目指してきたのです。これに対してEU(欧州連合)は、財政健全化の要請もあり、「効率的な治療」「生活習慣病対策」に医療の重点を移行させ、病院医療からの脱却を目指してきました。人口当たりのベッド数、平均在院日数を比較すると、イタリアは3.2人、7.8日となっており、日本の13.1人、16.2日と比較すると「効率化」が進んでおり、これが今回の医療崩壊の大きな要因となったのです。しかし、その方向へ「指導」していたのが厚生労働省であり、その遅れが、結果として日本の医療崩壊を防止したのです。ちなみに、ICU(集中治療室)の人口10万人当たりのベッド数は、イタリアの12に対して日本は5しかなくその脆弱性は明らかなのです。
コロナ対策を含めて、どのような医療体制を構築するのか、今一度、国民的な議論が必要となっています。又、今回問題となったのが、救急患者の受け入れ拒否の問題です。PCR検査率の低さと院内感染を恐れる病院経営の結果、救急搬送のたらい回しが各所で発生しています。どのような体制が必要か、医療従事者の感染をいかに防止するのか、課題は山積しています。
一方、観光業や宿泊業等経済の痛手は深刻度を増しています。政府の持続化給付金、各自治体の休業協力金、雇用調整助成金等の詳細、融資制度や新たな支援策等の詳細は、巡回監査担当者にお尋ねください。
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