The Business Support Report 2019年7月1日号
亥年選挙の恐怖から、衆参同時選挙、消費税法改正見送りの話題もささやかれておりましたが、最近になってようやくその話がなくなり、10月1日からの消費税改正がほぼ確定実施されることになりました。今回の改正では、軽減税率の適用の可否やポイント還元の話題が多く、それらは周知の事と存じます。また、システム対応も必要ですがTKCシステムでは、準備が完了しておりますので安心してご利用いただけます。
今回は、この改正により2023年10月から実施されることになった「インボイス制度」についてお話しようと思います。インボイス制度とは、適格請求書等保存方式と呼ばれている制度です。現行の日本の消費税法での必要書類は、請求書等保存方式と呼ばれています。これは、取引先の発行した請求書等の客観的な証拠書類の保存を仕入税額控除の要件としています。しかしこれらの請求書等に、消費税率・税額を記載することは義務付けられてはおりません。これに対して、「インボイス制度」では、消費税の課税事業者はあらかじめ国から登録を受け、インボイス発行事業者になる必要があります。そして相手先に物やサービスを提供した際には、「インボイス(適格請求書等)」を発行し、そこには、必ず適用税率と税額を記載し、その副本を保存しなければなりません。また、取引の相手側は、公付されたインボイスがなければ仕入税額控除をとることが出来ません。 この制度によって大きな影響を受けるのが、免税事業者です。例えばクリニックでは、大半が、保険請求等の非課税取引になっており、今までは、「自由診療」にかかる領収書には、消費税額の記載は不要だったのですが、インボイス制度になると、今までの対応の変更を余儀なくされることになります。今までの「みなし課税仕入」という概念がなくなることから、今まで通り免税事業者として領収書を発行するか、課税事業者を選択して、消費税額を記載した「適格領収書(インボイス)」を発行するかの選択を迫られることになります。クリニックで発行する領収書は、相手先が、事業者でなく、その利用先が「医療費控除」の証拠であることが多くなるので、その対応は余計に難しくなってくると思います。 一般の事業を行っている免税事業者や不動産貸付を行っている免税事業者などは、課税事業者の選択も視野に入れる必要があるかもしれません。この制度は2023年10月実施で、それまでは経過措置が認められています。詳しくは担当者にお尋ねください。
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