The Business Support Report 2019年4月1日号
ふるさと納税を巡って、自治体側(特に2017年度の受け入れ金額が全国一となった泉佐野市)と総務省が喧々諤々の争いになっています。確かに当初のふるさと納税制度の趣旨からいえば、地元産業の育成をメインに考えると、地元産業の幅を拡大解釈して、お礼の金品で寄付を集めるのは首をかしげたくもなりました。
しかし泉佐野市は、元々「関空」関連の土地造成ブームとその破綻によって、財政破綻寸前の状態にまで陥っていました。その後の財政健全化に向けて、人件費の抑制、遊休財産の処分、公共施設の統廃合などの緊縮財政を行ってきた、「国策の犠牲者」の一面もあったわけです。そんな中で泉佐野市がふるさと納税に着目して、歳入を増やす攻めの改革に重点を置いたわけです。制度の趣旨と構造を知っている自治体関係者の間では、今回の問題点は予想されていたわけです。「知恵の絞りあい」という側面もありながら切磋琢磨することはよい事だと以前から私も指摘していました。
総務省からの返礼品の規制を柱とする通達が相次ぎ、いよいよ法制化に踏み切ることになったのは、地方自治の精神から問題ありとする泉佐野市の主張は、それなりの説得力を持ってはいますが、法制化には逆らえないとして、泉佐野市では、100億円還元閉店セールをこの3月末まで実施していました。お礼の金品の金額ばかりがクローズアップされていますが、そもそもふるさと納税の金額が大きく膨らんだのは、東日本大震災の義援金の年だったことも事実です。又、沖縄県読谷村のサンゴを守るための資金を呼び掛けたり、北海道の上士幌町のようにふるさと納税資金を基金として、子育て支援にあて、道内で唯一人口が増加させた例もあります。又、クラウドファンデイング型のふるさと納税で目標額を大きく上回った夕張市の例や東日本大震災からの復興に向けた三陸鉄道の復興に向けた取り組みなどが報告されています。
いずれにしても「ふるさと納税」の制度は、応援したい自治体にふるさと納税をして、お礼の金品が手に入る納税者にとって有効に活用すべき制度であることは事実です。弊社では、お客様に、各納税者にとっての限度額をお知らせしていますのでせいぜい活用してください。但し、毎年強調していることですが、住民税の控除は、ふるさと納税をした翌年に実施されます。お伝えしているのは、昨年の所得に対しての限度額ですので、注意してください。詳しくは担当者にお尋ねください。
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