The Business Support Report 2019年3月1日号
確定申告の季節となりました。再来年から実施の30年度税制改正の留意点を確認したいと思います。細かい改正点が多いので見過ごされがちですが、逆に正確に税額を計算するためには複雑な処理となっています。大きな改正点は、給与所得控除や公的年金控除、或いは基礎控除も一律の金額でなく、所得に対応するという考え方が導入された事です。給与所得控除については、一律に10万円引き下げると共に、その上限の収入金額を1000万円から850万円に引き下げました。その結果、162.5万円以下の給与所得控除額は55万円に、年収850万円超の給与所得控除額は195万円となりました。
同じように公的年金控除額についても、一律10万円引き下げるとともに、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1000万円を超え2000万円以下である場合は20万円、2000万円を超える場合は30万円引き下げられる複雑な計算式となっています。その結果、他に所得のない65歳未満で公的年金130万円以下の公的年金控除額は60万円、65歳以上で公的年金330万円以下の公的年金控除額は110万円になります。それ以外の収入のある、中小企業の役員の方の在職老齢年金の基礎控除額は、その役員の方の役員報酬によって公的年金控除額が異なることになりますので注意が必要です。
基礎控除額については、控除額を一律に10万円引き上げて48万円にするとともに、合計所得金額が2400万円をこえる個人については、順次逓減し2500万円を超える個人についてはゼロとなります。
一見すると、低所得者に配慮に、金持ちに対して厳しく課税したようにも見受けられますが、それは単なるポーズで、実質はほとんど影響のない事を複雑な「改正」によって素人には計算不能な制度にした事の悪弊の方が多いと思います。
同様に青色申告特別控除についても、旧来の65万円を55万円にひき下げると共に、帳簿を「電磁的記録の備付け等」をしているか、e―Taxを使用している場合は、引き続き65万円の控除が認められます。弊社では、e-Taxで処理していますので65万円の控除となります。又、これは評価しても良いと思いますが、昨年から医療費控除については、医療費通知の添付により医療費等明細書の記載の省略が可能な形となっています。但し、医療費通知は9月末が締日になっていますので、あくまでも控除は暦年単位ですので注意してください。詳しくは担当者にお尋ねください。
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