The Business Support Report 2019年2月1日号
2019年(平成31年)の税制改正は、今年の10月に予定されている消費税増税関連の住宅ローン減税の拡充などの景気落込み対策が大半を占める内容となっています。
なぜ安倍内閣は、景気対策にこれほど神経質になるのか、一説では、世界経済の低迷を理由として、消費税増税の再延期もありうるという観測も取りざたされています。
それは今年が、統一地方選挙と参議院議員選挙が同時に行われる「亥年選挙」の年だからだと言われています。「亥年選挙」という造語を造ったのは、元朝日新聞記者石川真澄氏(2004年没)だと言われています。彼の説によれば、春の統一地方選挙で各地方議員は精力を使い果たし、夏の参議院議員選挙には、手が回らなくなり「自民党の集票マシーン」が機能せず、共産党や公明党などの組織政党が有利になるという観測でした。
当時から反論が多く寄せられて、「単なる推論」だとか、他の都市化現象の影響を無視しているとかの批判があったのですが、2007年の「亥年選挙」は、自民党が大敗し、政権続投を表明したにも関わらず退陣を余儀なくされたのが、第1次安倍内閣だったのです。今年は、それから12年後の「亥年選挙」の年に当たっています。単なる迷信では済ませれないのが、当該政治家の心境だろうと思います。この脈絡で、世の中の動きを見ているとうなずける発言が多くみられます。一つは、衆参同時選挙のアドバルーンです。安倍首相は否定していますが、衆参同時選挙の可能性は相当高いと言われています。それは「集票マシーン」の稼働ということに尽きるでしょう。
もう一つは、厚生労働省の「毎月勤労統計の不適切な調査問題」に対する自民党の対応の迅速さです。厚生労働省の特別観察委員会は、早々と報告書を提出し、組織的な関与はなかったものの課長級が不正を認識・踏襲した違法な調査と認定し、事務次官ら22名の処分を発表し、幕引きを図っています。これは、2007年の「消えた年金問題」が引き金となり、2009年の衆議院議員選挙で、自民党が大敗し、民主党政権が誕生したことの「教訓と対策」だと考えられています。
以上税制改正の中身ではなく「背景」の解説に終わりましたが、他にも個人の事業承継対策やふるさと納税の見直し、子供の貧困対策などの改正項目が挙げられています。一方で関心の高い昨年の事業承継対策税制は10年の時限立法ですので、対策のタイムスケジュールを明確にしておいて下さい。これからも宜しくお願いいたします。
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