The Business Support Report 平成28年6月1日号
毎年6月には、住民税の納税通知書が皆様の手許に届くので、「ふるさと納税」のご案内をしてきました。お陰さまで認知度も向上し、高額なお礼の金品についての賛否の論争が巻き起こっていますが、私は一貫して地元産業の活性化につながる「お礼」であれば推進すべきだとの立場です。これは、この制度を自治体としてのマネジメント能力のリトマス試験紙として捕らえていたからです。旧来からの官僚的な発想からは、お礼の金品は、寄付金控除の足切り対策としてしか捉えられませんでした。従って、寄付金控除の足切額が、5000円から2000円に減額した際に、大半の自治体のお礼の金品は2000円相当の金品に減額されました。しかし一部の自治体は、お礼の金品を下げることなく継続しました。そのことによる集められる税金の金額とお礼の金品を地元産業の育成につながる好機と捉えたのでした。 このように、一つの事実を別の角度から分析、判断する能力がマネジメント能力です。「ふるさと納税」の話を単に「得か損か」的な平面的な捉え方だけでなく、各自治体のマネジメント能力のリトマス試験紙と捕らえる「力」を身につけて頂きたいと思っています。ところで、今年は、熊本地震が発生し、その災害義援金も緊急性がありますので、順序として災害支援金の税法上の取扱いから始めたいと思います。
平成28年の熊本地震に対する「ふるさと納税」ですが、5月20日現在で、43,128件1,082,185,100円の寄付金が、被災自治体及び代理受付自治体に集まっているようです。当然ながらこれらの「ふるさと納税」にはお礼の金品はありません。その意味では、「ふるさと納税」の制度は。単なる「お礼目当て」の行動ではなく、日本に寄付制度を根付かせる有効な政策として定着していることを裏付けるものとなっています。
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