事務所通信

タイトル:ビジネスサポート通信

The Business Support Report 2026年11月1日号

無門関第22則 迦葉刹竿(かしょうせっかん)

 第3回は、無門関第22則 迦葉刹竿(かしょうのせっかん)です。
  迦葉(かしょう)、因(ちな)みに阿難(あなん)問うて云(いわ)く「世尊(せそん)金襴(きんらん)の袈裟(けさ)を伝うるの外、別に何物をか伝う」。葉(しょう)喚(よ)んで云く「阿難」。難((なん)応諾(おうだく)す。葉(しょう)云く「門前の刹竿(せっかん)を倒却著(とうきゃくじゃく)せよ」。無門曰く「若(も)し者裏(しゃり)に向かって一転語(いってんご)を下(くだ)し得て親切ならば、便(すなわ)ち霊山(りょうぜん)の一会(いちえ)厳然(げんぜん)として、未だ散(さん)ぜざることを見ん。其れ或いは未だ然(しか)らずんば、毘婆尸仏(びばしぶつ)早くより心(しん)を留(とど)むるも、直(じき)に而今(いま)に至るまで妙を得ず」。
   頌(じゅ)に曰く、問処(もんじょ)は答処(たっしょ)の親しきに如何(いかん)、幾人か此(ここ)に於いて眼(まなこ)に筋(きん)を生ず。
 兄呼べば弟応じて家醜(かしゆう)を揚(あ)ぐ、陰陽(おんよう)に属せず別に是れ春。
 現代語訳を付けます、あるとき阿難が迦葉(かしょう)に「釈迦世尊はあなたに金襴(きんらん)の袈裟(けさ)を伝えられた以外に、別に何かを伝えられたのではありませんか?」と尋ねた。そこで迦葉は「阿難」と呼びかけた。阿難は返事をした。迦葉は言う「門前の幡竿(はたざお)を引っ込めよ(「説法」は終わったという印です)」と。無門が言った「もしここの所で気の利いた一句が言えるほどに深い心があれば、かの霊鷲山(りょうじゅせん)での説法の集いが散会せず、今もって厳(おごそ)かに続けられているのが分かるであろう。そうでないなら、お釈迦様以前の過去仏の毘婆尸仏(びばしぶつ)が大昔より苦心・留意しながらも、現在になっても玄妙なる真理が得られていないわけである」 頌(うた)つて言う、問いと答えが一致しているか否か、眼玉の飛び出るほど見ようとした奴がいるか。兄が呼んで弟が応じ、我が家の恥をさらけ出し、季節が来ぬ間に、既に常春(とこはる)か。
 阿難は兄弟子ですが、お釈迦様から教えを付嘱されたのは魔訶迦葉です。しかしこの問答を通じて阿難尊者は迦葉に教えを乞い、悟りを得ました。更に阿難は商那和修(しょうなわしゅう)へとインドで菩提達磨まで28代にわたって正法眼蔵は、代々伝えられる事になりました。

国税庁 実地調査前の帳簿等データ提出依頼 取組みの概要やQ&A公表


 様々な場面で電子化が進んでおりますが、国税庁は10月13日、ホームページに「税務調査等における帳簿等データの提出依頼に関する取組等について」を掲載しました。
 国税庁では、税務調査の効率化を図るため、実地調査の前に帳簿等データの提出を依頼する取組を進めており、提出されたデータを事前に確認することで、調査期間や実地調査による拘束時間の短縮が期待でき、納税者の負担軽減にもつながるとしています。今回掲載されたページでは、こうした取組の概要を説明するとともに、帳簿等データの提出依頼や提出後の取扱いなどに関するQ&Aを公開しています。
 その中で、実地調査前の帳簿等データの提出依頼が、税務調査の事前通知前に行われることがあるのかとの質問に対し、原則として事前通知後に依頼するものの、調査日程の調整に時間を要する場合などには、事前通知前に依頼することもあるとしています。その際、提出を求める帳簿等データについては、納税者等に確認した上で、調査に必要な範囲に限って依頼すると説明しています。また、実地調査前の帳簿等データの提出依頼に応じない場合、罰則の対象となるのかとの質問には、正当な理由なく提出要求に応じなかった場合、国税通則法第128条の罰則の対象となり得ると回答があります。しかし、提出依頼に応じないことのみをもって罰則が適用されるものではなく、強権的に提出を求めることもないと説明しています。データの提出に代えて書面で提出することや、実地調査時に提出することについては、可能な限り実地調査前にデータで提出するよう協力を求めていくとしており、事前に分析・検証することで、調査期間や拘束時間の短縮が期待できるとしています。
 提出した帳簿等データの管理方法については、アクセス権限の設定や必要に応じた暗号化などにより厳重に管理し、保存期間の満了後に消去され、課税処分の証拠として保存が必要なものは、通常7年間保存されます。更に、提出したデータが別の税務調査に利用されることがあるのかとの質問には、他の事案の税務調査や行政指導に活用する場合があるとしています。
 いずれにしましても、企業側の電子データ保存における整理体制が求められます。

「130万円の壁」の特例運用


 年収130万円以上になると、社会保険料の支払いにより手取り収入が減ってしまうため、働く時間を増やしたくても、いわゆる「年収130万円の壁」が気になり、年末が近づくとシフトを調整するという労働力不足の課題の問題が指摘されていました。繁忙期に労働時間を延ばすなどにより、収入が一時的に上がったとしても、事業主がその旨を証明することで、引き続き扶養に入り続けることが可能となる制度は、2023年10月から始まり、現在も継続しています。
 年収130万円の壁とは、配偶者や親などの社会保険上の扶養(被扶養者)に入れるかどうかを分ける年収の基準になっており、基本給だけではなく、残業代、賞与、通勤手当を含む収入の総額で判断されます。
 被扶養者の認定に用いる「年間収入」の判断方法は、過去の実績ではなく「向こう1年間の見込み年収」で判断していましたが、2026年4月1日以降、労働条件通知書に記載された「労働契約上の賃金」(基本給に加え、諸手当・通勤手当・想定される賞与など、契約上決まっている賃金)で年間130万円未満(19歳以上23歳未満である場合には、150万円未満)であるかを判定する取扱いに整理されました。他に収入がないことや、契約・手当額が明確であることなどが前提になるため、契約段階で見込みにくい時間外労働に対する賃金等は、原則として年間収入に含めない取り扱いになります。
 つまり、契約上の年収見込みが130万円未満であれば、繁忙期の残業などで一時的に実際の収入が130万円を超えても、即座に扶養を外れるわけではないという運用に変わってきています。事業主は、雇用契約書等に見込年収を明記しておくことが重要です。
 この特例は2025年10月から恒久的な取扱いになり、毎年の被扶養者認定の時に人手不足による労働時間延長等に伴い一時的に年収が130万円以上となった場合には、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等に加え、一時的な収入である旨の事業主の証明を添付することで、原則として連続2回までは引き続き扶養に入り続けることが可能です。なお、この特例は、原則として連続2回までとされており、リセットの明確な規定がないため、毎年継続的に超える場合は恒常的な収入増とみなされ、特例の適用は困難になります。
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