事務所通信

タイトル:ビジネスサポート通信

The Business Support Report 2024年11月1日号

担雪埋井(たんせつまいせい)

 TKC近畿大阪会の秋期大学で京都信用金庫の理事長の講演がありました。京都信用金庫と言えば、どちらかと言えばブラックなイメージがあったのですが、そこからの脱却と金融機関の生き残りをかけて、「ノルマの全廃」と地域のお客様本位の実践を評価する制度への見直しが報告されました。これにより従業員の積極性が引き出され組織が活性化しているとの事です。企業において『ノルマの廃止』と評価制度の見直しというのは、中々困難な課題だと思います。私たちに置き換えて理解すると『自利利他』を、真の意味でやりきることだと思います。お客様の満足を最優先に仕事を行うことだと思います。
 難しいのは、従業員の業務評価をどのように行うのか、ということでしょう。ノルマとか実績というのは、数字で表れます。従って挙績の数字に基づいて評価を行えばある意味簡単に、従業員の評価を行うことができます。これに対して「自利利他」の実践具合を評価するのは極めて困難なことです。京都信用金庫でどのような評価方法を採用しているのか興味のあるところです。
 TKC会計事務所では、従業員教育について以前から「担雪埋井」という言葉が使われてきました。この言葉は、中国の宋の時代に編纂された『従容録(しようようろく)』という禅宗の公案集の中に登場する言葉で、「雪を担いで井戸を埋める」という意味です。意訳は、「たとえ雪がすぐに解けてしまうような一見無意味な作業でも繰り返し辛抱強く続けられるような者でないと大成しない」と言うことです。私は、以前からこの言葉を「意味のない作業」という事に重点を置いて理解するのではなく、「一見無意味に見える作業でも、継続して行えば達成できる」という様に肯定的に理解していました。従業員教育は非常に困難な事ですが、一番大切な事柄だと思います。頑張りましょう。

年末調整手続きの電子化で業務の効率化を~国税庁

 国税庁は、年末調整手続きの電子化で業務の効率化ができるとして、従業員・勤務先双方のメリットを掲げて年末調整手続きの電子化を勧めています。年末調整手続きが電子化された場合は、
① 従業員が、保険会社等から控除証明書等を電子データで受領
② 従業員が、国税庁ホームページ等からダウンロードした年末調整控除申告書作成用ソフトウェアに、住所・氏名等の基礎項目を入力
③ ①で受領した電子データを自動入力、控除額の自動計算をして年末調整申告書の電子データを作成
④ 従業員が、②の年末調整申告書データ及び①の控除証明書等データを勤務先に提供
⑤ 勤務先が、③で提供された電子データを給与システム等にインポート(自動入力、控除額の自動計算)して年税額を計算することになります。
 年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)とは、年末調整申告書について、従業員が控除証明書等データを活用して簡便に作成し、勤務先に提出する電子データ又は書面を作成する機能を持つ、国税庁が提供するソフトウェアのことです。年末調整手続きの電子化により、従業員は、これまでの手書きによる手続き(年末調整申告書の記入、控除額の計算など)を省略することが出来て、年末調整申告書の作成を簡素化に繋がります。また、書面で提供を受けた控除証明書等を紛失した場合は、これまでは保険会社等に対し、再発行の依頼が必要でしたが、その手間も不要となるなどのメリットもあります。
 TKCにも「まいポータル」という電子で給与システムにおける年末調整や給与明細配布等が出来るシステムがございます。事務の省力化に役立つと思いますので、担当者にお尋ね下さい
給与デジタル払いについて
 
 労働基準法の改正により、2024年5月1日から給与のデジタル払いが解禁されました。会社が給与のデジタルマネー払いを行う場合、支払うデジタルマネーは厚生労働省の認定を受けた業者(指定資金移動業者)のものを利用する必要があります。
 しかし、解禁されてから1年以上、動きのない状況が続いていたのですが、令和6年8月9日にPayPayがデジタルマネー払いの指定を受けました。
 PayPayは「PayPay給与受取」というサービスを開始し、ソフトバンクグループ10社の希望した従業員を対象に、2024年9月の給与からデジタル払いが開始しております。
 給料の支払方法については、原則は現金払いが原則ですが、労働者の同意を得た場合には、銀行口座や証券総合口座への振込が認められています。
 キャッシュレス決済の普及や送金サービスの多様化が進む中で、資金移動業者の口座への資金移動を給与受取に活用するニーズも一定程度見られることも踏まえ、今回新たに給与のデジタル払いという給与の支払い・受け取り方法が追加されました。
 給与を指定資金移動業者口座で受け取るのは、預金をするためではなく、支払いや送金に用いるためです。日頃から現金よりPayPayを利用している労働者にとっては、銀行口座に入った給与をPayPayアカウントにチャージする手間が削減されるため、利便性が向上します。
 先述したとおり、現在国内で唯一指定資金移動業者として認められているPayPayでは、保有できる給与の上限を20万円としています。
 上限額を超過した場合は、労働者が事前にPayPayへ登録した本人名義の銀行口座へ、PayPayが自動で送金する仕組みとなっています。そのため、企業が給与の支払い先を振り分ける手間はありません。
 労働者が給与を受け取る際は、支払いなどに使う額を指定資金移動業者の口座で受け取り、残りの給与は銀行口座で受け取るといった方法も可能です。
 給与のデジタル払いを導入する場合、雇用主と労働者間で労使協定の締結が必須です

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株式会社 TEL:06(6221)3611 FAX 06(6221)3711
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タイトル:令和3年度介護報酬改定に寄せて!
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